きっと素敵な考えをもっているのに。
どうしてそんな言い方に。
むかし、お芝居をすこしやってみて、思ったことがあります。
本当に伝わらない。
表現しているつもりでも、
みている人にはほとんど伝わっていないのです。
こんなにやったら大袈裟だろう、
それですこし伝わるくらい。
研究発表や授業もおなじです。
精一杯の工夫をこらして、
すこし伝わるくらい。
きっと大事なことほど、
伝えるのが難しいということなんでしょう。
普段の会話でも、おなじかもしれません。
一生懸命丁寧に、伝えて少し伝わります。
でも、すべてを懇切丁寧に説明すればいいのか?
とくに研究発表においてですが、
ぼくは意識して、すこしだけ"わかりづらく"発表することがよくあります。
お芝居や、わかりやすい例なら、お笑い。
全部説明したら、肝心なところが"台無し"になるから。
スポーツや囲碁もそう。
言葉ではわからなくてもカラダに"すっ"と入ったときに
「伝わった」と思えるのです。
伝えるのはとても難しい。
大事なことは、ときに丁寧に、ときに大袈裟に、心をこめて、
おとどけを。