2017年4月23日日曜日

なげてなげてなげる

すこしだけジャグリング、お手玉ができます。

ボールが3つも4つも舞うのをみて、すごいと思う人もいるでしょう。
でも、ボールひとつなら、だれでもできることを繰り返しているだけでもあるのです。

ボールをなげて、とる。

簡単と思うかもしれません。
だけれども、
ボールの軌道は毎回おなじか?
利き腕でない手でなげてみたら?
目をつむってもきちんととれるか?

やろうと思えば、いくらでも課題がみつかります。
そして、それらができるようになったとき、

「ボールをなげて、とる」ことが本当の意味でできるようになったと言えるのです。
そのときはじめて、ボールの数を増やして、次のワザができるようになるのです。


数学にはとても難しく、理解できそうにない理論がたくさんあります。

だけれども、よくよく見てみると、どれも小さなものの積み重ねです。

ひとつの定理の
その主張をじっくりじっくり眺めてみたり、
いろいろな例に適用してみたり、
すこしだけ間をおいて、自分の頭で証明してみたり、

そんなことをして、本当の意味で理解する。
すると、次の世界がすこしだっけくっきり見えてきます。

そうして、また次の定理を理解して、
くりかえすのです。

ジャグリングでは、ボールの数やワザにはどうしても制限があります。

でも、数学は

ボールをひとつなげることから始まって、
「ボール3つ4つなげる」できるようになると

新しいボールが現れて、
そのボールひとつには「ボール3つ4つなげる」
というワザが"ふくまれて''ていて、
そのボールをまた3つ4つ、なげて、

くりかえして
いつのまにか、とてもたくさんのワザをふくんだボールを3つも4つも5つも、もっと

自在になげられるようになるのです。


いくつもの定理をふくんだボールを、ふくんだボールを、ふくんだボールをなげて
新しい定理に出会うのです。

なげてなげてなげる。