2020年2月1日土曜日

一人で数学を学んだ時の覚書

・現在東工大助教
・学部は筑波大工学部
・20歳までは線形空間がわからなかった
・学部3年から、少しずつ数学に興味を持つ
・学部数学はほぼ独学
・大学院から数学の研究室へ
・ちゃんと5年で学位をとりました

大事なこと
・転学は不可能ではない
・容易でもない

学部3、4年生のときにやったこと
・主要な大学のシラバスをみて、3年生の授業の「参考図書」で自分に合うものを読み漁る。
・日本は、日本語の文献で学べる素晴らしい国。参考図書は大抵、すごくいい本。

本の読み方
全ての命題、補題、定理は
i) 最初に自分で証明を考える
ii) 証明を読む
iii) 定理の主張だけを書いたメモを作る
iv) 翌日、iii) で作ったメモにある定理を「本を見ずに」証明する。
v) できなかった定理はii) から、iv)でできるまで繰り返す。

定義はメモらない。証明を元に再構成する。



工夫したこと
・定期的にエネルギー(糖分など)をとる(そうしないと、一日持たなかった)
・一日は朝(昼ごはんまで)昼(晩御飯まで)夜(寝るまで)の3つに分けて、少しずつやることを変えていた。
・なるべく毎日場所を変える(自宅、図書館、研究室などなど)。そのほうがよく集中できた。(これは人によるかも)
・ちゃんと正しい時間に寝る、起きる、食べる。生活は規則的になれば、起きる、食べるなど、「意外と大変な」行為に必要なエネルギーがだいぶ節約できます。そのエネルギーは数学に使うべき。
・歩く(大学まで徒歩30分ほどでちょうどよかった)
・携帯の通知は全て切る(バイブもダメ、本当は捨ててしまえと思っている)
・たまには、友人と会って話をする(一ヶ月誰とも話さないと、日本語を忘れます。今の時代、一人でできることは本当に限られています)
・あこがれを持てる数学者・科学者の伝記などを読む。(元気が出ます)
・目標は、3段階ぐらい背伸びしてでも、高く持つ。
・世界中の天才が、今こうしている間にも努力している。
・ただ、焦りは禁物。一歩ずつ進む。山の頂をばかりを見ていると、途方もなく感じ、元気がなくなるが、一歩ずつ踏みしめることに集中していると、いつのまにかたどりつく。らしいですよ。

独学はすごいと(たまに)言われるが、
あの時、僕は「人生をかけていた」。
数学は、命懸けでやれば、きっとわかる。がんばれ。