2020年11月8日日曜日

数学とRPG

数学はRPGのようだとよく例えられる。
新しい定理や概念を覚えることは、新しい武器を手に入れたり、
新しい魔法を覚える感覚に近い。
RPGならば、新しい武器や魔法を手に入れる他に、強さを増す方法がある。
レベルアップだ。ひとは、いつレベルが上がるのか。
色々な意見があると思うが、僕が思うに、人のレベルは感動した時に上がる。
数学をやっていると、議論がわからなくて数時間、数日、数週間、・・・。
長い時間考え続ける必要がでてくる。
長い思考の末に、考えていた問題に秩序を見出し、「意味不明」だった議論が「ほとんど自明」になる瞬間がある。
少なくとも僕はそんなとき、とても喜び、楽しいと感じる。感動がある。
心が動くと、座っていられなくなってお散歩へいく。ちょっとした勝利の行進である(ひとりだけど)。
感動が大事な学問ならば。
巷でよく言われる「正解が一つでつまらない」「無機質で合理的でお堅い」そんなイメージとはだいぶ違うだろう。
(数学の世界に長くいると忘れがちだが、世の人は本当にこんなイメージで数学をみているようである)
心が動くためには、感性が必要だ。
感性はつかみどころがなく、結果として驚くほど簡単に``忘れられる''。
ふとした風に肌がふれる心地よさに気付き、感動したりしないだろうか。僕は、よくある。
何度も同じように感動してしまうのは、僕が愚かだからかもしれない。
(僕の)感性は本当にすぐ、大事なものを忘れてしまう。たぶん、忘れてはいけないものもたくさんあるはずだ。

と、ここまで書いてふと思った。
授業というスタイルはどうしても、技や魔法の伝達に重きをおきがちだ。
レベルアップは確かに「自分でするもの」かもしれないが、
そんな視点があっても良いかもな、などと思っている。