2018年10月27日土曜日

きほん

微分積分学の基本定理:
$\int_a^b f'(x) = f(b)-f(a)$

細かい条件は本などをみてください。

おそらく全ての理工系の学科で
1年生の時に、線形代数と微分積分学を習う。
これらが本当に色々なところで出てくるから。

この二つを合わせて使うと良いことがあるという事を
微分積分学の基本定理は教えてくれる。

微分とは何か?
色々な説明をされるかと思う。
局所的な変化量であり
それは、「接線の傾き」という
言葉でも表現される。

接線は、まっすぐである。
線形である。

次元をあげると、微分は
「局所的な変化量を表す線形空間」を
取り出す操作になる。

そうして、ぼくらは線形代数を使える。
そうやって、線形代数を使って得られた情報を
積分する。

すると、元の関数の、欲しい情報を
上手に取り出せたりする。

線形空間はまっすぐで、色々扱いやすい。
その理論を、「曲がった場所」で
使えるようにする操作が微分。
そうやって、微分で得られたまっすぐな場所で
線形代数で取り出した情報を
集めて、元の関数の情報に復元する操作が
積分。

曲がった関数も扱えるようなれると
見える世界もグッと広がるのです。

2018年10月20日土曜日

つながり

連続であるということ、
つながっているということ
をきちんと理解するのに
$\epsilon$-$\delta$ 論法なるものを使います。

一本の紐があります。
紐の「はし」と「はし」は
つながっているでしょうか?

そりゃ、つながってるでしょ!
とても正しくて、とても良いです。

実際、"つながっている"と考えることで
多くの物理現象が説明できます。

でも、それをちょっと疑ってみるのです。

ひもを少し拡大してみると、
大抵は、いくつかの細いひもを
束ねてできています。

だから、紐の端の一点と
もう一方の端の一点が
違う細い紐に乗っていたら
"つながって"、いないのです。

一本の紐を取ってくれば
"つながっている"のか?

紐を、拡大して、拡大して、
うんと、拡大して、拡大すると
分子のあつまりになります。

分子同士はばらばらです。
分子間力で互いに引っ張りあって
"くっついて"いるのです。

でも、隙間も空いています。

だから、たぶん紐の「はし」と「はし」は
つながって、いないのです。

$\forall \epsilon>0$

そういったとき、つまりは
「どれだけ拡大しても」という意味です。
どれだけ拡大して
どれだけ小さいスケールでものを見ても
成り立っている何かを説明しようとしているよ

そんな意味だと、思います。

2018年10月13日土曜日

数列

しばらくは、授業の最初にお話ししようと
思っていることをまとめていきます。

個人的な感覚を、言いたいように
お話しする気でいますが
なにか、気に入らないことがありましたら、
こっそり教えてくださると嬉しいです。

さてさて。
数列。

$\displaystyle 1,\frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{1}{4},\dots$
が$0$ に"収束"しますよ。
という話。

例えば、ボールを落としてみる。
そうすると、その「高さ」は収束する数列になる。

ちょっと注目して欲しいのは、
ボールの高さが「収束する」と
ボールそれ以上動かない、ということ。
収束先は、安定している。

たとえば、飛行機を飛ばすとき
いろいろな要因で飛行機は不安定になる。
ふらついた飛行機を、安定させるには
軌道を"収束"させればよい。

部屋の中でライターをつける。
一部だけ、熱くなる。
自然は素晴らしく、
部屋を"ほおって"おくと
温度のムラはなくなり、
温度はそれ以上動かなくなる。
つまり、安定する。
実はここでも、"何か"が収束している。

収束先は、安定している。
安定しているというのは
大抵とても良いことで
いろいろなものを安定させることが
とても大事。

つまり、いろいろなものを収束させると
結構良いことがある。

いつか、なにかを収束させたくなる
そんなときが、きっとくる。きっとね。

そんなとき、"なにか"の収束の理論は
(ほとんどの場合)数列の収束に
基づいて作られている。

だからまず、
数列の収束について
学んでみようということです。

2018年10月6日土曜日

$\forall\exists$と$\exists\forall$

最初に論理記号というものを理解してもらいます。
そうしないと"お話にならない"のです。
伝えたいことが伝えられません。

$\forall$ というのは対象とする集合の「すべての要素」で
という意味
$\exists$というのは対象とする集合のなかに「ひとつの要素」があって
という意味。

そしてこれは順番が大事。
具体例を見てみましょう。
一つ目の集合を
$A = \displaystyle \{さんま、ハンバーグ、焼肉、サラダ、冷奴、冷やしトマト、蒸し野菜\}$といった料理の集合、
もう一つ
$B = \displaystyle \{醤油、塩、ソース、焼肉のたれ、マヨネーズ、ポン酢\}$と調味料の集合とする。

このとき

(i) $\forall a\in A, \exists b\in B,$ $a$ に $b$ をかけて食べるのが好き。
(ii) $\exists b\in B, \forall a\in A,$ $a$ に $b$ をかけて食べるのが好き。

は、すごく異なる主張です。
(i)はとても健全。
何かしらの料理 $a$ があった際に調味料$b$ を適切に選んで、
合うものをかけて食事を楽しんでいる。
(ii) は、個性満載。
先に、調味料$b$ を一つ選び
どんな料理が出たとしても
 $b$ をかけて食べる。
マヨラーさん(伝わるのかな?)などがこちらです。

こんな風に論理記号は順序が大事です。
気をつけてくださいな。

ちなみに、ぼくは大学生の頃
(ii) で選ぶ調味料は「焼肉のたれ」でした。