2023年4月12日水曜日

新入生へ(ChatGPTなどについて)

宣言する。僕は授業でChatGPTを使い倒す。
多くの大学でChatGPTを禁止する流れがあるのは知ってる。
でも、僕は授業で使うし、みなさんにもどしどし使って欲しい。

禁止される理由は「ChatGPTを使うと探索力や思考力が鍛えられない」が最も多い。僕は疑問だ。そう言った人たちが本当にChatGPTを実際に使い、その可能性を"探索"し、そしてその後の未来について"思考"したのかと。

個人的な実感としては、ChatGPTをはじめとするAIはやがて当たり前になり、AIをいかに使いこなすか?が重要な能力になると思う。いま、ChatGPTを使うことは「ズル」と言われるかもしれない。でも、近い将来その「ズル」とされた、"AIを使う能力"がとても大事になる。ChatGPTなどの技術を少しでもたくさん使い、その特性を理解し、いかに有効に使うかを考えて欲しい。一つでも多くの質問をChatGPTに投げかけて欲しい。使えばわかると思うけど、ChatGPTは曖昧な質問にはあまり良い答えを返さない。「問いを立てる力」が要求される。ChatGPTを使うと考えなくなるなんて、とんでもない意見だと僕は思う。

一部の宿題や課題は一瞬で終わる。それでいい。本当に意味のあると思う課題を自ら選び、そこに時間や労力を注いで欲しい。なんでやるかもわからないような、AIで一瞬で終わる課題を出してきた教員が悪い。大丈夫、ChatGPTでやったかどうかなんて絶対わからない。

そうやって時間に余裕ができたら、その時間で「やりたいこと」をやって欲しい。
もしやりたいことが見つからないなら、色々試してみることだ。
個人的なオススメは、「めちゃめちゃ効率の悪いこと」をやること。

自転車で日本一周してみたり、
江戸の科学者を調べて詳しくなってみたり、
数学の定理一つ一つの証明を理解して進んでみたり、
演劇をやってみたり。

AIで効率化して生まれた時間で、「無駄なこと」をやってほしい。
効率的で機械のような人間は必要なくなるから。
機械がもう"機械のような人"よりもずっと優秀になる時代が目の前に迫っている。

人間っていうのは非効率的で、めんどくさくて、無駄な生き物だと思う。
そして、だからこそ生きた人間というのは魅力的なんだと思う。
効率が求められる「つまらない仕事」をちゃっちゃとAIで片付けて、"よくわからないけどなんか面白そうなこと"をやってみて欲しい。無駄なことが「あなた自身」を作り、それがこれからの時代を生き抜く力になる。と、僕は勝手に信じている。

もちろんこれは、たった一人の個人的な"思考"だ。取るも取らぬも、自分で考えてくれ。
ChatGPTの出力を採用するかどうかも、僕の話を聞くかどうかも全部、あなた次第だ。