2020年2月29日土曜日

ゲストハウス

なんでもない日が、よいですよね。
少し昔の、日記です。
======================

ものすごく久しぶりに、日記を書いてみます。
自分の専門分野に近い、国内の研究集会が京都であったので行ってきました。
海外から招待講演で来ていた2つ年上の人に数学的に圧倒されたけれど、なんだか元気が出たので、ぼくもまだ枯れてはいないようだと思いました。

さてさて、今回はたまたま「大学の近く」で検索したら、ゲストハウスが引っかかったので、ゲストハウスを初体験してきました。

簡単に言うと「ホームステイ」といった感じ。
けど、ご飯とかは特に出てこない。(と、HPには書いてあった)

入り口を入るといきなり居間。
ひげもじゃの人がゴロゴロしていた。

荷物を預けて、ひとまず研究集会へ。

帰ってくると、ひげもじゃさんの友達の女の子がいる。
リビングでネットをしていると、女の子は料理を始め、ひげもじゃさんはコンビニに買い出しへ。

料理をしながら
「名前は?」
「あ、まさいです。」
「ふーん、ん?それ名字?下の名前は?」
「ひでとしです」
「じゃあ「ひで」だ。私は「なお」、これ食べる?」

頂きました。
なんだか、何かの物語に入ってしまったような感じがするくらい、新鮮な感じがしました。
伝わってるかわかりませんが。。

「ひではいくつ?」
「あ、25です」
「私は22」
「えぇ!」
「どういう意味かな?」

いきなりため口で始まる会話にはやっぱり慣れません。
・・・年下だったとは。

ひげもじゃさんのあだ名は「もじゃ」でした。


クラブWCの試合があると、大きめのテレビがあるので近所に住んでる人とかも集まってくる。


「つえー、けどバルサちっちぇーなー」
僕「コーナーとかあれば面白いよね」
「だよねー」

見知らぬ人とサッカー見ながらそんな会話。

台湾の人もいた。英語をしゃべったので少し話した。
サッカーで日本の柏が負けていたので、「お祈りしなきゃね!」とか言ってくる。
見てると、PCに向かってお祈りしてるので、何してるかと聞くと
「今、女の子にデートの申し込みをしたんだ。僕らはお祈り仲間だ」
いや、僕は別に祈ってない。

同い年くらいに見えたのに、38歳といわれ衝撃を受ける。

おじちゃんとかもいるし、泊まっているけど、個室にこもって全く出てこない人もいる。

誰が、何をしても、何をしてる人でも、迷惑さえかけなければおこったりしない。
無理に干渉したりもしない。

ただ、出会いを楽しみ、その時を楽しむ。

ゆっくり流れる時間。

初めて体験した不思議な空気。文章にしておきたかったのでした。
ゲストハウス、僕はおすすめです。

今度の研究集会でもゲストハウスに泊まろうかとも思っています。


こんな感じであんまり人前に現れてないですが、生きてます。
飲みに行ったりしたい気分なので、時間がある人いたら是非。

まさいでした。

2020年2月15日土曜日

迷い

ひとは、迷う。
ぼくも、迷う。

お昼、何食べよっかな。
今日、何を着よっかな。
明日、どこ行こっかな。

何を勉強しようかな。
どの大学に行こうかな。
どんな数学をしようかな。

何をして生きていこうかな。
人生の、目標?

数学の価値とは?
生まれてきた意味とは?

悩むのは大事なことだ。ぼくも、そう思う。

ただ最近、ちょっと気になる。
びっくりするぐらいに、共感の時代だ。

わかるー!
そうそう!そうだよね!僕もさ・・・

こんな感じで居ると、多くの人に好かれると誰かが発見した。
そして、悩みは、容易に共感を生む。
「だから」悩んでいる人がいるように見える。

そのままでいいよ。
答えなんていらないさ。

悩んでいる人に言葉をかけて、"優しい"コミュニケーションの出来上がりだ。
かんたんかんたん。
そんな優しさを求めて、悩んでいる人がいる、ように見える。
それもたくさん。
悩むことが、その先の共感が目的の、いわばプロだ。
プロ迷い人たちは、決して答えを出さない。
答えを出したら、悩みに"共感"して一緒にいてくれる人たちが離れていく。
敏感な彼らは、しっかりそれを知っている。
だから、決して答えを出さず、出そうともせず、悩む。プロとして。

悩むことは大切だ、悩まずに決めた答えは、浅くなる。
でも、悩むのは、答えを出すためだ。それは忘れちゃいけない。
そして、答えを出すことは、そのほかを、捨てることだ。
怖い、勇気がいる。苦しい。
「だから」悩むんだ。

それでもさ。
逃げないで、向き合あうんだ。
答えを出すために。
きっと大丈夫だから。
答えを選んだ結果、離れる人はいるかもしれないけれど、その選択から生まれる出会いも必ずある。一緒に悩む友達は大事だ。でも、答えを出したら離れていくようなら、それは、そういうことだ。自分の出した答えと一緒に生きていける人も、いつかきっとみつかるだろう。

寄り添うことも優しさだ。
けど、優しさは、それだけじゃない。

覚悟を持った答えをきっと僕は見たいのです。


いや、わかるけどね。大変だし、ひとはそう簡単に決心できないし。
答えを決めるのは怖いし。

こういうのが、世に溢れすぎではないかい?
と思った話でした。


2020年2月8日土曜日

ほこり

僕のアパートには大量に存在する。
僕の中にはあるのだろうか。

僕の守るべきものは、何?
浮世から離れたいのか、そうでないのか。

今日は誰とも会話をしなかった。
その代わり、たくさん自然と戯れた。

そして、少し、何故、数学が美しいと言われるのか、その理由を何となく感じた。

自分が今まで口にした「美しい」は本物でないことが分かった。
自分の立っている場所が一歩分変わった。

前進?後退?それとも、かわってない?
「?」がたくさん。

「何故」

これを、色々なものにぶつけるとわけが分からなくなる。
けど、ぶつけることをやめてはいけない、
そう、強く思う。

とりあえず
大学に入った時と、今では、僕は違う。
これだけは間違いない。

良くなった?悪くなった?それとも結局変わってない?

わからないけど、
今の自分は今の自分を気に入っている。

それでいいか。

今日の筑波はとても涼しい。
今、僕はとても心地よい。

それでいいか。

=======================
書くことが見つからない時に、むかしの文章を探してくるシリーズ
大学4年生、たぶん。

2020年2月1日土曜日

一人で数学を学んだ時の覚書

・現在東工大助教
・学部は筑波大工学部
・20歳までは線形空間がわからなかった
・学部3年から、少しずつ数学に興味を持つ
・学部数学はほぼ独学
・大学院から数学の研究室へ
・ちゃんと5年で学位をとりました

大事なこと
・転学は不可能ではない
・容易でもない

学部3、4年生のときにやったこと
・主要な大学のシラバスをみて、3年生の授業の「参考図書」で自分に合うものを読み漁る。
・日本は、日本語の文献で学べる素晴らしい国。参考図書は大抵、すごくいい本。

本の読み方
全ての命題、補題、定理は
i) 最初に自分で証明を考える
ii) 証明を読む
iii) 定理の主張だけを書いたメモを作る
iv) 翌日、iii) で作ったメモにある定理を「本を見ずに」証明する。
v) できなかった定理はii) から、iv)でできるまで繰り返す。

定義はメモらない。証明を元に再構成する。



工夫したこと
・定期的にエネルギー(糖分など)をとる(そうしないと、一日持たなかった)
・一日は朝(昼ごはんまで)昼(晩御飯まで)夜(寝るまで)の3つに分けて、少しずつやることを変えていた。
・なるべく毎日場所を変える(自宅、図書館、研究室などなど)。そのほうがよく集中できた。(これは人によるかも)
・ちゃんと正しい時間に寝る、起きる、食べる。生活は規則的になれば、起きる、食べるなど、「意外と大変な」行為に必要なエネルギーがだいぶ節約できます。そのエネルギーは数学に使うべき。
・歩く(大学まで徒歩30分ほどでちょうどよかった)
・携帯の通知は全て切る(バイブもダメ、本当は捨ててしまえと思っている)
・たまには、友人と会って話をする(一ヶ月誰とも話さないと、日本語を忘れます。今の時代、一人でできることは本当に限られています)
・あこがれを持てる数学者・科学者の伝記などを読む。(元気が出ます)
・目標は、3段階ぐらい背伸びしてでも、高く持つ。
・世界中の天才が、今こうしている間にも努力している。
・ただ、焦りは禁物。一歩ずつ進む。山の頂をばかりを見ていると、途方もなく感じ、元気がなくなるが、一歩ずつ踏みしめることに集中していると、いつのまにかたどりつく。らしいですよ。

独学はすごいと(たまに)言われるが、
あの時、僕は「人生をかけていた」。
数学は、命懸けでやれば、きっとわかる。がんばれ。