2018年5月26日土曜日

サイエンスカフェ

東北大学サイエンスカフェというので
講演します。

http://cafe.tohoku.ac.jp/cafe/basic-science/180711.html

数学者は「数学にできるもの」を日々探している。
芸人さんが日常に笑いを探すように。
笑いのある日々と同じくらい
数学のある日常も
きっとよいもの。
簡単な数学から大学レベルの数学まで
言われないと気づかないけれど
確かにそこにある数学を紹介していきます。

いままでブログに書いて来たことをもとに
いろいろお話しします。

数学があると
何気ない日常がちょっと変わってみえる。

そんな考え方を紹介しつつ
トポロジーって何か、どんな風に応用されるのか
そんなお話しをします。

みなさま、ぜひ。


2018年5月19日土曜日

繕い裁つ人

映画をみて考えたこと。
あまり内容には踏み込みませんが、
ネタバレ等がいやなひとはすみません。

















繕い、裁つ、ひとの話。
先代の洋服を、ただひたすら直す。
着る人の思いに寄り添って
服を直していく。
物語はそこから
主人公が新しい出会い
周りの人の変化
いろいろなきっかけを積み重ねて
ついに、''自分の手''で
布に触れるまでを描く。

そんな物語をみながら
自分の数学に対する向き合い方について
ずっと考えていた。

ぼくらは新しいものを生み出さないといけない。
さもなければ、''次''はない。

既に出来上がっているもの
それを学ぶのはそこから新しいものを生み出すため。

だから、ついつい
議論に隙はないかとか、
見過ごされている一般化はないか
だとか
''悪いところさがし''をしてしまう。

繕い裁つ人
既に出来上がっている洋服を
尊い、守り
本当に必要なところだけを、直す。

最近、そんな風に他の人の論文を
読んだことがあっただろうか。

そんな風に、むかしのもの、を
大切に、大切にしてきた人が
最後の最後に、自分で洋服を作った。

ぼくはその洋服はどんなに素敵だろうかと
そのものを見ずして、わくわくした。

ぼくがいつか作る、''あたらしいもの''が
そんなふうに、人にわくわくを与えられたら。

そう思うと、ぼくにはずいぶん
足りないものあると

悲しいんだか、嬉しいんだか、
なんとも言えない、そんな心地になった。

2018年5月12日土曜日

風薬

季節の変わり目に風邪をひいた。

と言っても、夕方に体調が悪くなり
一晩ぐっすり寝たら良くなった。

夜、横になりながら
薬を飲むか考えた。

どうやら最近のぼくは体調の二階微分で
薬を飲むかを決めるらしい。

微分というのは変化のスピードで
体調の一階微分はどれくらいの速さで体調が変化しているか。
それが、マイナスであれば徐々に悪くなる。
プラスであれば回復していく。
もう一回、微分すると二階微分。
体調の変化のスピードがどれくらい変化するか。
例えば、一階微分がマイナスで体調が
少しずつ悪くなっていたとしても、
二階微分がプラスなら、体調が悪くなる速度は徐々に落ち着き
いつしかプラスに転じる。
そうなれば一晩寝れば、すっきり治る。

10代も終わりの頃
ようやく体調そのものを
感じることができるようになった。

20代、段々と体調の変化の速さ
一階微分が大事であって
それを感じるようになってきた。

いま、30代
二階微分を感じて、そこがマイナスだったら
薬を飲もうと思っている。

あぁ、変なことを言っているな
自覚はしています。

でも、おすすめ。

2018年5月6日日曜日

常識

常識にとらわれるな!

よく言いますね。
常識ってなんだろうと
昔から考えていました。

常識的に考えて無理
常識外れなことするな

多分、こんな使われ方をする''常識''には
とらわれないほうがいい。

常識って、ただただ悪なのだろうか。

常識のある人
これは、褒めてる?
それとも、つまらないやつ、ってこと?

常識を疑え
だんだん、それっぽくなってきた気がする。
全部が全部間違っているわけではないんだよね。

それで、ぼくがたどり着いた、ひとつの解釈は
常識は「無駄に失敗しないための知恵」

先人たちが、さんざん繰り返してきた失敗を
君たちこうしときな、と
残してきたものが、常識かなと。

たくさん学ぶことがあるけど
いつでも正解なわけでもない。

常識にとらわれない数学
できるようになりたい。

そのためにも
常識的な数学
もうちょっと勉強しないといけないかなと
思ったりしています。