2018年3月17日土曜日

いいてんき

「良い天気ですねっ!」
いいてんきですねぇ
「いーてんきですよね!いやあ!よおい!」

平泉に行ってきた。
陽気なおっちゃんと
あたらしい挨拶をした。

雰囲気のある場所
どこか懐かしい。

いちおしをとばして
人があまりいない庭園へ

すっかり春の陽気。
その中に
一面が凍った池。
歩けそうなほど凍った池は
はじめましてかもしれない。

おみくじを、引いてみる。

末吉
あたらしいことはやめておけ
という。

申し訳ないが運命さんよ
そこだけは譲れない。

やっぱりいちおしに行きたくなって
おっちゃんに道を尋ねる。

バスとかもありますが
いー天気ですから
いー天気ですから
歩いて行きましょう
あそこの道をまっすぐです。

本当にいい天気。
途中、冒頭の陽気な
おっちゃんと会った。

記念館があった。
忘れていた
子供のころ義経が好きだった。
義経は平泉を気に入り
鎌倉のまちづくりに
平泉を手本としたという。
懐かしさの理由をしった。

いちおしは見所も多々ありましたが
ひとがたくさん。
せわしない。
弁慶の像、大きくて顔が怖い。
家族連れ、子供がひとこと
「お母さんみたい」
「ちょっとやめてよー」
と、お母さん。
楽しそうである。

帰り道、ぶらぶら適当に歩くと
義経が没した場所に出会う。
向かう途中
「おーい、にいちゃん!」

有料でした。
おっちゃんが
ハンコの日付が狂ったから待てという。

「焦ったって、なーんもいいことないから」

ぼくの乗りたい電車までは
あまり時間がない。

「ま、いっか。ズレてたらごめんな。ポン。」

あってた。
高台へ登る
義経堂。

夏草や
兵共が
夢の跡

芭蕉がそう読んだ場所。

ぼくの前には
広がる田畑、山、川。

そして、大きな道路を走る
車、車、車。
更なる工事を、知らせる看板
生活している人々がいる。

世界遺産に登録された平泉
世界遺産にふさわしい街並みに!

工事の計画を知らせる看板
もちろん、住んでる人々が大事。

ぼくはただ
そのままでも、いいよ。

と、こころのなかで呟いた。

そうか
そのままでも、いいのか。

かえってきた
いいてんきだった。

気がつくと
小さな数学がひとつ、できていた。