2018年6月23日土曜日

まくら

おまえが毎日生きてておもしろくないのは
おまえがおもしろくない人間だからだ!
小学生のころ、どこかの物語で出会った言葉である。
タイトルもどんなお話だったかも忘れてしまったので、
細かい表現はきっと違う。

ショックだった。
最近つまらないと、ずっと思っていたから。
そして、自分は精一杯やっていると思っていたから。
学校は学級崩壊していた。
友達と、お助け救助隊なるものを結成して
なんとか崩壊を食い止めようとしていた。
友達を、クラスを、ぼくらは助けたかった。
いつしか先生は、クラスが治まらないのは
ぼくらの頑張りが足りないからだと
そう言うようになった。
そうか、楽しくないのは
ぼくがつまらなくて、ダメなやつだからだ。
冒頭の言葉はアタマにずっと残っていた。

そんななか、ぼくは跳ぶこと、が好きで楽しい
ということを、みつけた。
跳ぶことで、学校の代表に選ばれ
小さな大会で優勝してメダルをもらった。
嬉しかった。
楽しい!ぼくは、楽しい!

いま、ぼくの膝は
小さい頃からの無理がたたって、ボロボロ。
半月板と呼ばれるクッションの役目をはたす
軟骨のようなものがズタズタにさけ
手術でほぼ切除してしまった。
自転車に長時間のれない。
スノボはとても楽しくて、好きだけど
一度滑ると5分は立てなくなる。
もちろん、もう跳べない。
激しい運動はもうできない。

でも、それでも

ぼくはいま、毎日楽しい。

おもしろき
こともなき世を
おもしろく

高杉晋作はそんなふうに歌っていた。